仮面のシンデレラ
その時。
私の脳裏に昨夜の記憶が蘇った。
““あの子の居場所を教えてくれ”…っ!”
湖でオズが笛に尋ねていた言葉。
オズが探している人物の手がかりをウサギさんが知っているのならば、あれがウサギさんと関係しているということなのだろうか。
「ねぇ、オズ。」
「ん…?」
エメラルドの瞳をこちらに向ける彼に、私はそっと尋ねた。
「“どうしても笛に聞きたいこと”って…?」
「!」
オズは、小さく目を見開いた。
そしてそのまま、ぼそり、と答える。
「あんたには関係ない。」
(…!)
ばっさりと一刀両断された私。
確かにオズの言う通りだけど、協定を結んだ者どうし教えてくれてもいいのにな、と思う私は甘いのだろうか。
彼は自分について詮索されるのを嫌うらしい。
名前以外何も語ろうとしない彼は、必要以上に私と仲良くなる気もないようだ。