仮面のシンデレラ
第2章
*不思議の国の住人たち
「ウサギさんって、何歳なの?」
「何歳だと思う?当ててごらんよ。」
一緒に暮らし始めて2日。
相変わらず笛の情報は得られず、私はオズとの条件をクリアするため、ウサギさんの情報を探ろうとしていた。
(…全てがうまくかわされている…。一向にレアな情報を掴めている気がしない。)
にこにこと笑う彼は、優雅にカモミールティーを嗜みながら私を見つめている。
彼の行動や言動から、少なくとも私よりは年上だということは分かった。
大人の余裕を見せるウサギさんは、それなりに色々な経験をしてきたらしい。
個人情報は謎のままだ。
その時。
ウサギさんが、ふと外を見て呟いた。
「あ、そうだ。洗濯物を干さなきゃね。」
ふわふわとした性格ながら、家事を完璧にこなす彼はどうも掴めない。
スタスタと部屋を出て行く彼。
パタン、と閉まる扉を、私は目を細めて見つめた。
(…昔からこの家に住んでいたのかな…?)