仮面のシンデレラ

俺は、ばっ!とチェシャに詰め寄る。


「まさか、シラユキも一緒に行かせたのか…?!」


こくり、と頷くチェシャに、俺は動揺を隠せない。

最悪の事態が起こってしまった。

ウサギは、穏やかに呟く。


「まぁ、2人でいるならまだ安心だね。」


「“安心”?!ばか言うな!“シラユキと2人っきり”という状況ほど心配なものはねぇ!」


きょとん、とするウサギに、俺はけほけほと咳き込みながら言い放った。


「シラユキは、言ってみれば“不運の塊”だ…!いつも無駄な不幸を呼び寄せる。大体、なぜ俺がちょっと湖に落ちたくらいでこんな高熱にうなされていると思う?あいつが看病中に転んで濡れタオル用の洗面器の水を俺にぶちまけたり、薬局でクスリを取り違えて3日間無意味なラムネを飲まされた結果だぞ…!」


ウサギとチェシャが、ゾッ!と顔を青ざめさせた。


(とりあえず、さっさと森に入った2人を見つけないとまずい。…取り返しのつかないことになる前に…!)


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