仮面のシンデレラ
すると、シラユキが焦って俺たちに言った。
「森の奥で出会ったイモムシの話によると、この森には魔法がかかってて、侵入者を拒む罠がたくさんあるらしいんだ。命の危険があるくらい。」
(…!)
俺は、動揺して口を開く。
「闇雲に森に入ったら逆に危険じゃねぇか…!なんで、エラはそんなことを…」
すると、シラユキが空中を指差して言った。
「イモムシがこの煙で安全な出口への道を教えてくれたんだよ。だから、エラちゃんは“また森に入ってもこの煙を見失わない限り戻ってこれるはずだ”って……」
(あいつ…、また無茶なことを…!)
心配でどうしようもなくなった俺の隣で、シラユキは罪悪感と後悔に苛まれている。
俺は、そんなシラユキを慰めながら声をかけた。
「大丈夫だ、シラユキ。お前のせいじゃない。…とりあえず、この煙を辿ればエラがいるんだろ?俺が今から追いかけて、すぐ連れ戻すから安心しろ。」
「……オズ…!」
泣きそうなシラユキの肩を、ぽん、と叩き、俺が煙を追って森へ入ろうとした
次の瞬間だった。