告白
幼なじみの彼
「入社時から、気になってたんだ。心咲ちゃん、今フリーなら、俺と付き合ってくれないかな?」
去年のクリスマス直前に、同期の佐渡さんから突然告白された。返事に困っていると腕を引かれて抱き寄せられそうになる。
「ぃやっ!」
咄嗟に佐渡さんの腕をふりはらう。
後退りながら、浮かんできたのは幼なじみの和希の顔。
「あ、ごめんなさい。」
それだけ言って、逃げ出した。
年末年始の休みの間、自分の気持ちと向き合い、やっと出した結論。
『隣に居たいのは和希だけ。和希じゃないと嫌だ。私、和希が好きなんだ。』
自分の気持ちがはっきりしたとはいえ、相手はあの和希だ。
物心ついた時から一緒に居たため意識して無かったが、和希はいわゆる『完璧王子』だった。小・中・高校と生徒会長で、崇拝者は大勢いた。
大学を首席で卒業し、一流企業へとすんなり就職。
今では、社内一の『王子様系ハイスペック男子』で、ファンクラブまであるらしい。
折しも世間はバレンタイン商戦まっただ中。
本屋には、手作りチョコのレシピブックが並び、スーパーにはバレンタイン用の特設コーナーができている。
今迄も毎年チョコは渡していたものの、市販の物だったし特別な意味合いは無かった。
「よし、今年は手作りチョコを渡す!」
ちゃんと告白できるかどうかはともかく、去年迄とは違うことに気付いて欲しい。
バレンタインまであと二週間。
先ずは初心者でも失敗しないレシピを検索して。
(なるべく簡単なものを探そう。)
製菓用の道具と材料を買いに行こう。
(特訓するから多めにね。)
たくさん貰うチョコの山に埋もれてしまわないように、ラッピングも頑張ってオシャレにして。
神様、
不器用な私でもチョコが上手く出来ますように。
そして、和希が受け取ってくれますように。
私の気持ちが伝わりますように・・・。
去年のクリスマス直前に、同期の佐渡さんから突然告白された。返事に困っていると腕を引かれて抱き寄せられそうになる。
「ぃやっ!」
咄嗟に佐渡さんの腕をふりはらう。
後退りながら、浮かんできたのは幼なじみの和希の顔。
「あ、ごめんなさい。」
それだけ言って、逃げ出した。
年末年始の休みの間、自分の気持ちと向き合い、やっと出した結論。
『隣に居たいのは和希だけ。和希じゃないと嫌だ。私、和希が好きなんだ。』
自分の気持ちがはっきりしたとはいえ、相手はあの和希だ。
物心ついた時から一緒に居たため意識して無かったが、和希はいわゆる『完璧王子』だった。小・中・高校と生徒会長で、崇拝者は大勢いた。
大学を首席で卒業し、一流企業へとすんなり就職。
今では、社内一の『王子様系ハイスペック男子』で、ファンクラブまであるらしい。
折しも世間はバレンタイン商戦まっただ中。
本屋には、手作りチョコのレシピブックが並び、スーパーにはバレンタイン用の特設コーナーができている。
今迄も毎年チョコは渡していたものの、市販の物だったし特別な意味合いは無かった。
「よし、今年は手作りチョコを渡す!」
ちゃんと告白できるかどうかはともかく、去年迄とは違うことに気付いて欲しい。
バレンタインまであと二週間。
先ずは初心者でも失敗しないレシピを検索して。
(なるべく簡単なものを探そう。)
製菓用の道具と材料を買いに行こう。
(特訓するから多めにね。)
たくさん貰うチョコの山に埋もれてしまわないように、ラッピングも頑張ってオシャレにして。
神様、
不器用な私でもチョコが上手く出来ますように。
そして、和希が受け取ってくれますように。
私の気持ちが伝わりますように・・・。