イケメン御曹司は一途な溺愛王子でした~愛の重さはヘビー級?!~
百戦錬磨で企業の次期トップ。
穏やかで優しいだけではない。
自分にいい様に話を持っていく話術もしっかり使ってくる。
爽やかな見た目と柔らかさがあるけれど、中身は意外と強引なのかもしれない。

「お昼は軽く済ませましたから、夜は美味しいものをと思いまして。予約していたんです」

変身させられて連れてこられたのは、超有名な外資系ホテルの中にある三ツ星のフレンチのお店。
こんなとこ、敷居が高すぎて早々来れない。
でも、玲一さんは、ここでもスマートで違和感なんてない。
むしろしっくりきている。
この高級感が当たり前に似合う人。
大手商社の次期社長で御曹司。
そういう立場にある人だからだろう。
案内されたのは、所謂VIPのための個室だった。
人目が気にならないのはありがたい。
今日のデートでもすごい視線だった。
これだけのイケメンだもの。
振り返って眺めたりするよね。
しっかりと椅子を引いて座らせてくれる。
完璧なエスコートに、今日一日だけど私はすっかりお姫様のように扱われることに驚きつつも、夜までの間に慣らされてしまった気がする。
こんな扱いは、今日一日で終わるのに。

「こんな素敵なところに連れてきてくれてありがとうございます。でも、私フレンチのマナーに自信が無いです」

こんな高級なお店で食事する機会なんて、普通のOLの私には無い。
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