イケメン御曹司は一途な溺愛王子でした～愛の重さはヘビー級？！～
彼女は律儀に電話をくれて、週末にはデートをした。
有坂さんが守るのも頷けるくらいに、彼女は可愛らしく、たどたどしく。
その態度や言葉に何度も僕は心臓が破裂するんじゃないと思うほどだった。

別れ際に我慢できなくて、触れるだけのキスをした。
彼女の唇は、甘く柔らかく、僕を酔わせた。

「ごめん。でもこうしたかったんです。僕はこれから貴方に振り向いてもらうべく全力で行動しますから、覚悟してくださいね？」

そう言って別れて、その宣言通りに、社内でも彼女への気持ちは隠さず行動していたし、言葉にもしていた。

まさか、その僕の行動が彼女を傷つける原因になるなんて考えもせずに。

その日、会議室にいくと何故か会議の準備が済んでいない。

「有坂さん、どうなっていますか？」

先に準備の手伝いに行かせたので聞くと

「総務部から手伝いで莉ヶ花が来ることになって、会議資料を取りに行ってから十分経つのに戻らないんです」

それを聞き微かに嫌な感じがした。

「今時の子でしょう？どこかでサボってるんじゃないの？」

そんな事を言った声の主を見る、秘書課の派手な部類の秘書達だ。
外見だけで使えないので来期切り捨てるつもりの彼女達。

その言葉で嫌な予感が増した。

「有坂さん、見てきてくれるかい？」
「承知しました」

彼女の顔にも焦りと怒りが滲んでいた。
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