イケメン御曹司は一途な溺愛王子でした~愛の重さはヘビー級?!~
割りと強めに言ったものの、玲一さんは私の腰に回した手に更にぎゅっと力を入れた。

「今日の僕は、母から会いに行った旨の連絡を受けてから気が気ではありませんでした。あまりにもなので、坪内に今日の最低限の仕事をしたらさっさと帰れと言われるほどでした」

そう、こぼしてきた。

「玲一さん。私、ちゃんと玲一さんの顔を見て話したいです。だから降ろしてください」

同じように降ろすことをお願いしたが、先程よりは口調が柔らかくなった。
何だか急速にこの人に慣らされて、どうやら私はほだされてもいるらしい。
シュンとした態度の彼を見て、少し胸がきゅんとした。

玲一さんは私の二度目のお願いでやっと、ソファーに降ろしてくれた。
そしてなんと、自分はラグの上に座って、ソファーに座ってる私を見上げるような形になった。

綺麗な玲一さんの顔が近くにある。
緊張と、少しの照れ臭さに私の頬が熱を持った。

「それで、莉ヶ花は母に何を聞きましたか?」

そう、躊躇いがちにでも聞いてきた。
何を聞いたかはきっと玲奈さんから聞いているのだろうけれど。

「玲一さんとは結婚を前提としたお付き合いを申し込まれている、その段階であることは玲奈さんも聞いていると言ってました。次に近いうちに私が了承するだろうとも話してたみたいですが、私まだ、返事は保留にしてましたよね?なんで、話がちょっとどころじゃなく進んでるんでしょう?」
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