フォンダンショコラみたいな恋(短編)
まず、彼と話すことの無かった私が毎日のように話すようになった。
「なぁ、れんれん。」
「変なあだ名で呼ばないでよ。」
「教科書忘れた。」
「なっ!またぁ!?あなたね、学生の本分は勉強なの。教科書持ってこないでどうやって勉強するのよ。」
「れんれんが貸してくれる。」
彼はいつも1つは忘れ物をしていた。そして、私はいつも彼に何かを貸してあげていた。
「あとなぁ、俺は『あなた』じゃなくて『まこと』!ほら、リピートアフターミー?ま、こ、と」
そして彼はいつも、私が名前で呼ぶように言ってきた。
「おいっ!無視すんなよ、ほらリピートアフターミー?ま、こ、と」
「あ、な、た!!」
そんな簡単に異性の下の名前を呼べるかっての!
「ま、こ、と!!!」
「あ、な、た!!!!!」
「ぷっ……は、は、ははっ。」
私たちが言い争っていると後から笑い声が飛んできた。
「はははっ。『あなた』って…はっはは。夫婦かよぉ〜」
笑っているのは私達の後ろの席の女の子だった。
「だよな!?おかしいよな、『あなた』って呼ぶのな!」
仲間が出来たのが嬉しいのか、華岡くんは先程よりも勢いよく喋る。
「うん…まぁね、ははっ。……ははっ。………ふう。」
やっと笑いが収まったようだ。
「でも、急に男子に下の名前で呼べ!って言われたってハードル高いよねぇ。」
笑いすぎて出た涙を拭いながら、彼女はそう言った。
「うっ。ま、まぁそうだけど…。結局は女は女の味方かよー。」
ふてくされたように彼は、ぶつぶつ言っていた。
「……今度から華岡くんって呼ぶから。それと、日野さんありがとう。」
やっぱり彼のペースに巻き込まれている気がしたが、仕方なく妥協策として 苗字で呼ぶことにした。
「まっ、今はそれでいいか…!やっと友達らしくなったな!!」
……友達。
「わぁ、蓮城さん私の名前覚えてくれてたの!!」
「蓮城じゃなくて、れんれんな。」
「れんれん!これ、華岡がつけたの?かわいーあだ名。」
…あだ名。
「じゃあ、改めてれんれん!私は日野 杏です。よろしくね!」
私にとって慣れない言葉だけど、嫌じゃない言葉。
「うん、よろしく……。杏。」
嬉し涙で少し視界がぼやけたのは、きっと気のせい。
でも、私に友達が2人も出来たのは 気のせいじゃなかった。
「なぁ、れんれん。」
「変なあだ名で呼ばないでよ。」
「教科書忘れた。」
「なっ!またぁ!?あなたね、学生の本分は勉強なの。教科書持ってこないでどうやって勉強するのよ。」
「れんれんが貸してくれる。」
彼はいつも1つは忘れ物をしていた。そして、私はいつも彼に何かを貸してあげていた。
「あとなぁ、俺は『あなた』じゃなくて『まこと』!ほら、リピートアフターミー?ま、こ、と」
そして彼はいつも、私が名前で呼ぶように言ってきた。
「おいっ!無視すんなよ、ほらリピートアフターミー?ま、こ、と」
「あ、な、た!!」
そんな簡単に異性の下の名前を呼べるかっての!
「ま、こ、と!!!」
「あ、な、た!!!!!」
「ぷっ……は、は、ははっ。」
私たちが言い争っていると後から笑い声が飛んできた。
「はははっ。『あなた』って…はっはは。夫婦かよぉ〜」
笑っているのは私達の後ろの席の女の子だった。
「だよな!?おかしいよな、『あなた』って呼ぶのな!」
仲間が出来たのが嬉しいのか、華岡くんは先程よりも勢いよく喋る。
「うん…まぁね、ははっ。……ははっ。………ふう。」
やっと笑いが収まったようだ。
「でも、急に男子に下の名前で呼べ!って言われたってハードル高いよねぇ。」
笑いすぎて出た涙を拭いながら、彼女はそう言った。
「うっ。ま、まぁそうだけど…。結局は女は女の味方かよー。」
ふてくされたように彼は、ぶつぶつ言っていた。
「……今度から華岡くんって呼ぶから。それと、日野さんありがとう。」
やっぱり彼のペースに巻き込まれている気がしたが、仕方なく妥協策として 苗字で呼ぶことにした。
「まっ、今はそれでいいか…!やっと友達らしくなったな!!」
……友達。
「わぁ、蓮城さん私の名前覚えてくれてたの!!」
「蓮城じゃなくて、れんれんな。」
「れんれん!これ、華岡がつけたの?かわいーあだ名。」
…あだ名。
「じゃあ、改めてれんれん!私は日野 杏です。よろしくね!」
私にとって慣れない言葉だけど、嫌じゃない言葉。
「うん、よろしく……。杏。」
嬉し涙で少し視界がぼやけたのは、きっと気のせい。
でも、私に友達が2人も出来たのは 気のせいじゃなかった。