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3-3
雪が降りました。
「ユーカちゃん!」
街のど真ん中で呼ばれて振り返ると案の定翔太サンだった。
翔太サンの隣には、女の人。
H高のセーラ服を着ている。
真面目で有名なH高だけど、その人はスカートを少し短くしていたし、ヒールがちょっとあるローファーを履いている。
ちゃんとメイクをしている、女の人。
女の人は「誰?」と言いたげな顔をしている。
「ケンイチの妹のユカちゃん」
翔太サンはにこにこしながら失礼にも私を指さしながら説明する。
女の人はちょっと目を大きくした。
「じゃ、ユカちゃんと帰るわ」
(えええ?!)
さくっと言って手を振って翔太サンはおかまいなしに私の傘に入った。
女の人の表情を窺うと、特に怒っている様子でもなく歩き出したか胸を撫で下ろす。
私の赤い傘を翔太サンが持った。
「…いいんですか?」
もう女の人の姿は人混みに紛れてしまったのに、声を小さくして聞く。
「何が?」
翔太サンはきょとんとしている。
わからないのか。
ふと、ことばに詰まる。
一瞬迷って、
「彼女かと思って」
と言った。
(別に、普通だよね、こういう時に聞くのって)
「ユーカちゃん!」
街のど真ん中で呼ばれて振り返ると案の定翔太サンだった。
翔太サンの隣には、女の人。
H高のセーラ服を着ている。
真面目で有名なH高だけど、その人はスカートを少し短くしていたし、ヒールがちょっとあるローファーを履いている。
ちゃんとメイクをしている、女の人。
女の人は「誰?」と言いたげな顔をしている。
「ケンイチの妹のユカちゃん」
翔太サンはにこにこしながら失礼にも私を指さしながら説明する。
女の人はちょっと目を大きくした。
「じゃ、ユカちゃんと帰るわ」
(えええ?!)
さくっと言って手を振って翔太サンはおかまいなしに私の傘に入った。
女の人の表情を窺うと、特に怒っている様子でもなく歩き出したか胸を撫で下ろす。
私の赤い傘を翔太サンが持った。
「…いいんですか?」
もう女の人の姿は人混みに紛れてしまったのに、声を小さくして聞く。
「何が?」
翔太サンはきょとんとしている。
わからないのか。
ふと、ことばに詰まる。
一瞬迷って、
「彼女かと思って」
と言った。
(別に、普通だよね、こういう時に聞くのって)