なれたなら。ーさよなら、私の大好きな人ー
「……準備は終わったの?」
「…うん。おかげさまで」
「え、え?なんの話ですか?」
私と柊花の話していることが分からない葵ちゃんは私と柊花を交互にみて困惑してる。
そうだよね。
今日このことを葵ちゃんに言うために呼んだのだから。
戸惑ってる葵ちゃんを真っ直ぐにみた。
「葵ちゃん私ね、高校卒業したら東京に行くことにしたの」
「え、東京ってそんな急にどうして……っ!?」
「自分の居場所をくれる人についていってみようと思って」
「そんな……しかも卒業したらって、卒業式明日じゃないですか!」
「うん。言うの遅くなっちゃってごめんね?」
こんな私のために涙を流してくれる葵ちゃん。
ほんとは言おうか悩んだけど、いつも私のことを見てくれていたから黙っていってしまうと申し訳なくて。