なれたなら。ーさよなら、私の大好きな人ー
If.5 キミとずっと一緒なら
「う、三月とはいえさすがに寒いね。
何か暖かいの買ってくるから、座って待ってて」
「うん。いつもありがとう」
無人駅で有名な駅のホームに到着して、ホームのベンチに座る。
翼くんは荷物を置いて飲み物を買いに行ってくれた。
一人になると思い出すのは深侑のこと。
葵ちゃん、深侑に手紙渡してくれたかな。
あれを読んで深侑はどう思っただろう。
どう思おうと私にはもう関係ない。
深侑にはもう会うつもりはないから。
それなのに深侑のことが頭から離れないなんて相当好きなんだな、深侑のこと。
でも手紙に深侑への想いを綴ったせいか、伝える前よりも少し気持ちがスッキリしてる。
自分の声で言うことはできなかったけど、これでよかったんだよね。