キライ、じゃないよ。
会場はビュッフェスタイルになっていて、部屋のの中心に料理が並び、早くもドリンクを手に歓談している面々があちらこちらで輪を作っている。
既に会場では半分以上集まっているようだ。
「あ!樫くんに護じゃない。こっちおいでよ」
声がした方に顔を向ければ、同じクラスだった勝間 友奈(かつま ともな)が手招きをしている。
「友奈、久しぶり」
「2年ぶりだっけ?」
スラリと長身の彼女は、長い髪を後ろで一つに纏めて、黒のパンツスーツ姿だった。
彼女はこのホテルのコンシェルジュをしているのだ。
「仕事の時と変わらないカッコしてるね」
「変わらないと言うか、そのままだよ。30分前まで仕事してたからね」
「友奈、今はここのホテルのコンシェルジュをしてるの」
隣に立つ樫にそう説明すれば、彼は感心した様子で友奈に話しかける。
「高校の時から背が高くてスタイル良かったけど、今のカッコ凄く似合ってるよ」
「え、そ、そう?樫くんに褒められると嫌味がなくて、素直に嬉しいな」
「そうか?他の奴らだって、同じ風に思うはずだけどな」
あの頃の樫も今と同じように、素直に言葉を紡ぐ人だった。
思った事をそのまま言う。
だけど空気を読む事を忘れないから、相手を不快にさせる言葉は決して言わなかった。
そう、思いやりのある人だった。
だからこそ、あの時の言葉も彼の隠す必要のない本心だったんだって思う……。
既に会場では半分以上集まっているようだ。
「あ!樫くんに護じゃない。こっちおいでよ」
声がした方に顔を向ければ、同じクラスだった勝間 友奈(かつま ともな)が手招きをしている。
「友奈、久しぶり」
「2年ぶりだっけ?」
スラリと長身の彼女は、長い髪を後ろで一つに纏めて、黒のパンツスーツ姿だった。
彼女はこのホテルのコンシェルジュをしているのだ。
「仕事の時と変わらないカッコしてるね」
「変わらないと言うか、そのままだよ。30分前まで仕事してたからね」
「友奈、今はここのホテルのコンシェルジュをしてるの」
隣に立つ樫にそう説明すれば、彼は感心した様子で友奈に話しかける。
「高校の時から背が高くてスタイル良かったけど、今のカッコ凄く似合ってるよ」
「え、そ、そう?樫くんに褒められると嫌味がなくて、素直に嬉しいな」
「そうか?他の奴らだって、同じ風に思うはずだけどな」
あの頃の樫も今と同じように、素直に言葉を紡ぐ人だった。
思った事をそのまま言う。
だけど空気を読む事を忘れないから、相手を不快にさせる言葉は決して言わなかった。
そう、思いやりのある人だった。
だからこそ、あの時の言葉も彼の隠す必要のない本心だったんだって思う……。