キライ、じゃないよ。
嫌な、夢を見た。
見知らぬ香りと、身体にのし掛かる重み。
体の自由が利かなくて、何かに羽交い締めされている。
そんな感覚が、ずっと私を襲っていた。
嫌だ、と何度か声を上げた気がする。
けれどそんな感覚から、けっして逃れることができなかった。
頭がひどく痛くて、気持ちが悪かった。
二日酔いみたいな気持ちの悪さと脈打つような痛みで目が覚めた。
「……?」
喉がカラカラに乾いて声が出ない。
ゆっくり身体を起こしかけて、身体から滑り落ちた毛布を無意識に引き戻した。
え、?なにこれ。
辺りは真っ暗で、なにも見えなかった。
けれど自分が何も着ていないことはすぐに分かった。
分かった上でけれど頭の中は混乱している。
徐々に視界が暗闇に慣れて、そして隣で寝返りを打つ人の存在に気づく。
「……⁉︎う、そ……な……で?」
声が掠れた。
でも、まともに声にならなくて良かった。
隣で寝ている人物を、起こしてしまわずに済んだ。
震える手足をなんとか動かして、そっと毛布から出た。
そして自分が寝ていた場所が見知らぬ他人のベッドだと知った。
なんとか着ていた物を拾い集め、急いで身につけた。
壁伝いに部屋の出口を目指し、足元に転がる自分のバッグを見つけて抱え込んだ。
無我夢中だった。
ただひたすらこの場から逃げ出すことだけ考えていた。
部屋を出て見覚えのあるキッチンと、リビングに目をやると原川さんと田淵さんが寝入っているのが見えた。
音を立てないようにして、そっと玄関から出て……後は、ひたすら走った。
広い道路に出て、ほとんど車の通りもない中なんとか拾ったタクシーで家に帰った。
見知らぬ香りと、身体にのし掛かる重み。
体の自由が利かなくて、何かに羽交い締めされている。
そんな感覚が、ずっと私を襲っていた。
嫌だ、と何度か声を上げた気がする。
けれどそんな感覚から、けっして逃れることができなかった。
頭がひどく痛くて、気持ちが悪かった。
二日酔いみたいな気持ちの悪さと脈打つような痛みで目が覚めた。
「……?」
喉がカラカラに乾いて声が出ない。
ゆっくり身体を起こしかけて、身体から滑り落ちた毛布を無意識に引き戻した。
え、?なにこれ。
辺りは真っ暗で、なにも見えなかった。
けれど自分が何も着ていないことはすぐに分かった。
分かった上でけれど頭の中は混乱している。
徐々に視界が暗闇に慣れて、そして隣で寝返りを打つ人の存在に気づく。
「……⁉︎う、そ……な……で?」
声が掠れた。
でも、まともに声にならなくて良かった。
隣で寝ている人物を、起こしてしまわずに済んだ。
震える手足をなんとか動かして、そっと毛布から出た。
そして自分が寝ていた場所が見知らぬ他人のベッドだと知った。
なんとか着ていた物を拾い集め、急いで身につけた。
壁伝いに部屋の出口を目指し、足元に転がる自分のバッグを見つけて抱え込んだ。
無我夢中だった。
ただひたすらこの場から逃げ出すことだけ考えていた。
部屋を出て見覚えのあるキッチンと、リビングに目をやると原川さんと田淵さんが寝入っているのが見えた。
音を立てないようにして、そっと玄関から出て……後は、ひたすら走った。
広い道路に出て、ほとんど車の通りもない中なんとか拾ったタクシーで家に帰った。