キライ、じゃないよ。
kashi.3
◇
なんで!
なんであのタイミングで電話なんか鳴るんだ!
護と別れて全速力で走りながら、悪態を吐く。
せめてあと1分、いや10秒後だったら。
「あ〜っ、もうっ!」
可愛かった。
すごく、ものすごく護が可愛くて、愛しくて。
酔っていたせいもある。だから、衝動的な行動に歯止めなんて効かなくて。
護を抱き締めて、逃げられなかったことに調子に乗った。
驚いて、戸惑って、ただ動けなかっただけかもしれない護に強引に触れようとした。
電話は、そんな卑怯な俺に対する制裁だったのかもしれない。
護だって酔っていたんだろう。流されて……今頃後悔してるのかもしれない。
後悔……してなければいい。
俺のことをキライにならなければいい。
明日、そう明日連絡をしよう。
そうして素面な状態で、俺の気持ちを伝えよう。
走りながらスマホを取り出して、履歴を確認する。
護に言ったことは嘘じゃない。同窓会のあの日連絡先を交換した日から、俺は何度も護の連絡先を見ていた。
番号も、アドレスも暗記するほど。
呼び出し音が鳴るまでに切って、また……。
自分自身のストーカーじみた行為に吐き気がする。
なんで!
なんであのタイミングで電話なんか鳴るんだ!
護と別れて全速力で走りながら、悪態を吐く。
せめてあと1分、いや10秒後だったら。
「あ〜っ、もうっ!」
可愛かった。
すごく、ものすごく護が可愛くて、愛しくて。
酔っていたせいもある。だから、衝動的な行動に歯止めなんて効かなくて。
護を抱き締めて、逃げられなかったことに調子に乗った。
驚いて、戸惑って、ただ動けなかっただけかもしれない護に強引に触れようとした。
電話は、そんな卑怯な俺に対する制裁だったのかもしれない。
護だって酔っていたんだろう。流されて……今頃後悔してるのかもしれない。
後悔……してなければいい。
俺のことをキライにならなければいい。
明日、そう明日連絡をしよう。
そうして素面な状態で、俺の気持ちを伝えよう。
走りながらスマホを取り出して、履歴を確認する。
護に言ったことは嘘じゃない。同窓会のあの日連絡先を交換した日から、俺は何度も護の連絡先を見ていた。
番号も、アドレスも暗記するほど。
呼び出し音が鳴るまでに切って、また……。
自分自身のストーカーじみた行為に吐き気がする。