好きって言ってもいいですか?

男はにやにやしながら私を舐めまわすように見る。

「最近すっごく可愛くなったよね。前もよかったけど、ちょっと垢抜けた感じ?」

最近じゃなくて、けっこう前から私のことを知ってる…。
私、ずっと前から狙われてたってこと?


じーっと睨んでいると、男はナイフを出てきた。

「!!」

「他の人には渡したくないしさぁ。俺だけのものにしておきたいんだよね。…だから、死んでもらおうと思って」

そう言って、男は狂ったように笑い始めた。

怖い、怖い、怖い…っ!!

「夏目さん…助けて…っ!!」

私は怖くて声があまり出なかったのか、掠れた声で
叫んだ。

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