好きって言ってもいいですか?

待ち合わせまで猛ダッシュすると、もう既に待ち合わせ場所に夏目さんがいた。
時計を見ている。

やばい、遅れたから怒られるかも!!

「すっ…すみません…!準備してたら、遅く、、なっちゃ、、て…っ」

息が切れてうまく話せなかったが、伝わったようだ。
いつものように吹き出した夏目さん。

「そんな急がなくてよかったのに。それに、事故とかじゃなくてよかったよ。俺のために一生懸命可愛くしてくれてありがと」

そう言って夏目さんは私な頭にぽん、と手を置いた。
ちょっとまってよ、いろいろ反則だよ!

「すっごい似合ってるよ。でも、他の男にも見られちゃうから、ちょっと残念」

クスッと笑いながら意地悪そうに笑う夏目さん。
様になってるんですけど?
ていうか、夏目さんってこんなかっこいい人だったっけ?

チェックのシャツに少し太めのジーンズを履いていて、ネックレスをしていた。
おしゃれな人だなあ。
私はネックレスとかアクセサリーは持ってないから…。

「とりあえず、行こうか。」

手を差し出される。

…ん?

私が何もせずにじーっと手を見ていると、手を掴まれてぐいっと引っ張られた。

「お詫びのデートなんだから、これくらい許してよね」

私の手を持ったまま、私の手の甲にキスをする。
…なに?!
え、この人は本か何かから出てきた王子様なのかな?
私、どうしよう。
デート?開始5分で既にドキドキしすぎて倒れそうです。


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