好きって言ってもいいですか?

「お前なぁ、紛らわしいんだよ。なぁ?」

急に東条さんに話を振られた私は、コクコクと頷くことしか出来なかった。

「亜子とはまだ始まったばっかだからね。何かわかんないけど、値段気にするし」

んじゃこっちだな、と東条さんが案内してくれる。

…というかそりゃ値段気にするでしょ!
高いもの貰えないよ!

案内された場所へ行くと、1万円前後のものが。
こ、これでも高いと思ってしまうんだけど、安いのかな?

「気に入ったの選んで?」

にこっと優しく笑う夏目さん。
その夏目さんを横目でニヤニヤと見ている東条さん。

この二人、ほんとに仲がいいんだろうなぁ。

そう思いながら、私は指輪に目を向ける。

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