好きって言ってもいいですか?

「いちごのタルトあるよ。食べる?」

いちごのタルト!
食べたい…でも、さっきもいっぱい食べちゃったし…どうしよ。

悩んでいると、店員さんに夏目さんは頼んでいた。


「食べきれなかったら俺が食べるから。食べれるだけ食べな」

にこっと私に笑いかける夏目さん。
優しすぎるよ…。

「ありがとうございます。いろいろ…」

飲み物がすぐにきて、とりあえず2人して飲む。
そして夏目さんが口を開いた。

「いろいろ、って、さっきのキスのこと?」

ごふっ

「なっ…え、ちがっ…」

吹き出しそうになった私を見てクスクスと笑う。
ひどいっ!

「ほんと可愛いね、亜子」

口元を拭きながら夏目さんを睨む。

「そんな可愛い顔で睨まれても怖くない。むしろ、そそられる」

ビクッとしてしまった。
何を言ってるのこの人!!

「そそられる、ってどういうことですか!」

「襲いたくなる」

即答だった。
私、夏目さんには勝てないや。

< 94 / 169 >

この作品をシェア

pagetop