好きって言ってもいいですか?
「キス、はじめてだった…?」
私の様子を伺いながら聞いてくる。
まあ…初めての恋人ですからね…。
こくりと頷くと、少し悲しげに私を見てきた。
「…俺で良かった?ごめん、先に確認すればよかったね…」
「何言ってるんですか。夏目さんがいいんです」
私は夏目さんに真面目な顔して言った。
すると夏目さんはびっくりしたような顔で私を見て、吹き出した。
「ふはっ。ちょっとそれは…やべえ、二人きりじゃなくてよかった。まじでちょっともおおぉ…」
恥ずかしそうに下を向いて顔を両手で覆っていた。
「あ、あの…夏目さん…?」
「ここ、カフェだからね?あんまほんとに可愛い事言わないで。そんな可愛いこと言う亜子は俺の前でだけ言って」
そういうこと言うのも私の前でだけ言って?!
私が今度は恥ずかしくなって下を向いた。
そんなとき、いちごのタルトが運ばれてきて、店員さんがビクッとしていた。
だって、2人して顔赤くして下向いてたから。