優しいあなたの嘘の法則
コンビニでバイトしています。
履修していた授業が突然休講になった。いつも一緒に授業を受けているななこちゃんと次の授業まで時間を潰すため、大学内のファーストフード店の入口で待ち合わせをした。私が待ち合わせに着いた五分後、ななこちゃんは意外な人を一緒に連れてやってきた。
「ダイキくん!」
「実希ちゃん久しぶり〜」
同じ授業をダイキくんも履修していたらしく、結局店の中でダイキくんも一緒に時間を潰すことになった。「休講にするならもっと早く言って欲しいよね」というななこちゃんは不満を口にした。
「ごめんね、2人の時間邪魔しちゃって」
「本当だよ、実希ほんとにごめんね」
「全然!!」
おわびにとダイキくんに奢ってもらったポテトとジュースを持って、4人席に腰掛ける。私の向かいにダイキくんとななこちゃんは座った。
「ダイキの飲み物なに〜?」「コーラ」「炭酸って珍しいね、一口ちょうだい」と、やけに親密な会話を繰り広げている。「なんだか仲よくないですかお二人さん」と冷やかすとななこちゃんが爆弾発言をした。
「言わなかったっけ?私たち、付き合うことになったんだ」
「っ、えっ?!」
とっさに飲んでいた烏龍茶を前に座るななこちゃに吹き出しそうになった。危ない危ない。
「えーーー!!おめでとうーー!!!」
「ありがとう。実希ちゃんと想のおかげだよ」
っていうか私、今邪魔者なんじゃないか?用事があったと嘘をついてこの場から立ち去ったほうがいいかなあ、なんて考えていたけれど、ダイキくんの言葉に思考が停止した。