優しいあなたの嘘の法則
「私が一之瀬さんのことを好きだったっていつ気づいたの?」
「合コンの日から、一之瀬目当ての常連の女の子だってうすうす気づいてた。実希ちゃん、自分で思ってる以上に思ったことが顔にでるタイプだから、本屋に来てた頃から一之瀬のことが好きだってなんとなく分かった」
「そんな早くから?!」
「でも確信は持ててなかった。確信したのはカフェで一之瀬の好きなところを聞いたとき」
「…どうして、黙ってたの」
「…もし俺が同じバイト先で働いてるって知ったら、絶対困らせるんじゃないかって思ったんだ。だから一番傷つけないタイミングで言おうと思ってた。」
「泣かせてしまうんじゃないかって思うと、言えなかった。でも結局泣かせちゃった。ごめん」