優しいあなたの嘘の法則



週が明けた月曜日、大きな教室の後ろの方の席で3限の授業を受けていると、三列ほど前に想くんが座っていることに気がついた。

板書を写すたびに髪が揺れて綺麗だなあと思う。想くんの後ろ姿を見ることが増えたのは、気のせいだろうか。

なんとなく想くんと話したくなって、授業の終了を知らせるチャイムが鳴ったとき私は想くんの元に直行した。

「想くん!」
「…実希ちゃん」
「久しぶり!最近全然見ないけど、元気だった?」
「うん」
「そっか!よかった!」
「…」
「…」
「…」

久しぶりに話せて嬉しいのに、同時になぜかは分からないけれど、心がざわついた。だって想くん、さっきから一回も私と目を合わせてくれないのだ。



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