優しいあなたの嘘の法則
沈黙が気まずくて、私はつとめて明るく言葉を続ける。
「な、なんか、元気なくない?授業中寝てた?!」
「…よかったじゃん一之瀬と仲良くなれて」
「?なに、突然」
「じゃあ俺ともう仲良くする必要ないよね?」
「…え、なにそれ。なんでそうなるの」
「一之瀬の相談相手みたいなもんだったじゃん、俺」
「そんなことないよ!私、想くんのこと大切な友達だって、」
「なんか勘違いしてない?」
「え、想くん…?」
想くんは私の方を決して見ようとはしない。ひとつ、大きなため息をつくと言葉を続けた。
「俺、実希ちゃんのことなんて嫌いだよ」
その一言に頭が、真っ白になった。
「もう俺に話しかけないで。関わらないで」
想くんはそう言い放つと教室を後にした。