優しいあなたの嘘の法則



「抱きしめられたと思ったら今度は〝嫌い〟って意味わからないんだけど!!」


授業が終わり、放課後に特に用もなく暇を持て余した私は、大学内のラウンジで、同じく空きコマのナオちゃんに先程の想くんとのことを相談していた。

「なるほどね、想くんのことで悩みすぎてひどい顔をしていると」
「ううう…ほんとむかつく、無駄に綺麗な顔しやがって!」
「…」
「しかも優しいなんてずるいんだよー!」
「……それ、ほんとに悪口なの?」

平和でゆったりとした時間が流れるなか、ナオちゃんはスマートフォンをいじる手を止めて、私をまっすぐ見つめた。


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