あんずジャム
溢れ出す 優羽side11
「…優羽ちゃんは、もしかしたら俺のことが好きなんじゃないか、っていう期待」
からかわれているのだろうか、と思った。
だって、玲也の言い方はまるで
(私のことが好きっていうこと…?)
そう考えて、まさか、と考えを打ち消す。
冗談めかして、「違いますよー、期待させちゃいました?」みたいに明るく言うのが正解なのかもしれない。
それでも…
(そうやって自分に嘘をつき続けるの?後悔するなら、伝えて後悔するんだって、昨日決めたばっかなのに?)
そう自問した。
だけど、優羽の口が動いたのは、答えが出るよりも前だった。
「…好きです」