あんずジャム
「にしても、モテんのにもったいねえよな…」
「うふふ。きっと篤には夢みたいな話ね」
「て、店長…そういう店長はモテたんすか、高校時代」
「もちろん!毎日のようにラブレターが溢れかえっていたわよ~」
「でも今は独身なんすね」
デリカシーのない言葉にゆきねのげんこつが篤の頭に落ちる。
「私はあえて結婚しなかったの!だからこそ今この店があるの!分かる?」
「す、すみませんて…痛…」
篤の痛がりようを見て、玲也は思わず吹き出した。
「玲也…お前…」
「悪い悪い」
「こっちはマジで痛いんだからな!」
「知ってる」
「あらあら…
それにしても、玲也の言ってる子、私も何回か見たことあるけど、確か結構おとなしそうな子だったわよね」