あんずジャム
しかし…
二人の完全に信頼し合って、何でもないことで笑えて、好きだという気持ちを伝えられる。
(うらやましいな)
そんな二人が幸せで、とても素敵な関係に見えた。
そして、彼のことがふと頭によぎった。
(神田さん…)
そんな二人の様子を見たからだろうか。
ものすごく彼に会いたいと思った。
そして、その思いは、気がつくと優羽を突き動かしていた。
「美羽ちゃん!ごめん、もう一回出かけてくる!」
「え?お昼ご飯は」
「せっかくだから剣斗さんとデートがてら外に食べに行って!」
「優羽ちゃん、それ、俺のおごるはめになる未来が見えるんだけど…」
優羽は剣斗の言葉を最後まで聞かずに外へ飛び出した。