あんずジャム



しばらく答えられなかった優羽は、もしかしてユウはあだ名でユウハちゃんでしたか?と聞かれて首を横に振る。



「ユウで合ってます」


「良かった…素敵な名前ですね」



玲也にそう微笑まれて、優羽は顔が熱くなるのを感じる。



(嬉しい…)



玲也に名前を呼んでもらえただけで、ここまで嬉しいと思うなんて、つくづく簡単だな、と思う。

だけど、嬉しいものは嬉しい。


優羽は、顔が赤くなっているのを誤魔化すように笑ってお礼を言う。


外は相変わらず良い天気で、優羽にはその青空が一段と気持ちよく感じられた。


< 53 / 116 >

この作品をシェア

pagetop