あんずジャム
しばらく答えられなかった優羽は、もしかしてユウはあだ名でユウハちゃんでしたか?と聞かれて首を横に振る。
「ユウで合ってます」
「良かった…素敵な名前ですね」
玲也にそう微笑まれて、優羽は顔が熱くなるのを感じる。
(嬉しい…)
玲也に名前を呼んでもらえただけで、ここまで嬉しいと思うなんて、つくづく簡単だな、と思う。
だけど、嬉しいものは嬉しい。
優羽は、顔が赤くなっているのを誤魔化すように笑ってお礼を言う。
外は相変わらず良い天気で、優羽にはその青空が一段と気持ちよく感じられた。