あんずジャム
「放課後に全校の文化祭実行委員が集まる第一回の会議があります」
「あるわね、そういえば」
「当たり前ながら、ほとんど全員が初対面と言っても過言ではありません」
「でしょうね」
「そんな中で私は──話しかけられたら、絶対目をそらさない!」
「おおー」
奈々はパンを軽く叩くようにして拍手をする。
「………で?」
「…え?」
続きを待っている様子の奈々と、話し終えたと満足する優羽の間に微妙な空気が流れる。
「え、え?終わり?
……もっとこう、そこから気の合う人を見つけたり、友達増やしてみようとか…」
「無理です」
優羽は自分の弁当をつつきながら即答する。
隣であきれたようなため息が聞こえた。
「新生というには少し早かったみたいね」