あんずジャム
文化祭 玲也side6


日曜日は快晴だった。

玲也は母校を前にして、懐かしさに目を細める。

…と言っても、ほんの二年前までは玲也もここに毎日通っていたのだが。



「おー、思ったより賑わってんな…」



さすが都会…と一緒に来た篤が感嘆の声をあげる。



「で、優羽ちゃんのクラスは?」


「C組。お化け屋敷だって。定番だな」


「まじか!?俺、お化け屋敷はパス」


「いやいや、高校生の手作りだよ?」


「最近の高校生、レベル高いぞ…
それより俺は二年E組のメイド執事喫茶がいい!JKのメイドとか最高だろ!
…まあ欲を言えば優羽ちゃんのメイド姿が──って、冗談だからそんな睨むな」


「睨んでない。ただ殺意が芽生えただけだ」



篤と、一瞬優羽のメイド姿を想像してしまった自分に。


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