あんずジャム
***
二人は結局、いつもの駅から二つ向こうの駅の近くまで来た。
ちなみに、そのもう一つ先の駅は【Cafe: snowdrop 】の最寄り駅だ。
そして、今は駅の裏口近くにある公園のベンチに座っている。
優羽には馴染みのない場所だが、坂井は来たことがあるらしく、飲み物をおごるからもう少し話そうと提案された。
「先輩、お金払いますよ?」
自動販売機で温かいミルクティーを買って渡してくれた坂井に、優羽は申し訳なさそうに言う。
あっさり却下されたが。
ペットボトルの蓋をあけて、一口飲むと、口の中に独特な甘ったるさが広がる。
嫌いではないが【Cafe:snowdrop 】の紅茶が恋しくなった。
「赤崎さん、いつもより少し遅くなりそうだけど、大丈夫?」
「あ、はい。両親は仕事で今家にいませんし、姉は今日友達と旅行だそうなので。」
美羽は昨日から、珍しく機嫌良さそうに、里菜という幼馴染みの友達との旅行の準備をしていた。
──飲み物を片手に、二十分ほど雑談し、空になったペットボトルを備え付けてあったゴミ箱に捨ててきた時くらいのことだった。
「ねえ、赤崎さん」
二人は結局、いつもの駅から二つ向こうの駅の近くまで来た。
ちなみに、そのもう一つ先の駅は【Cafe: snowdrop 】の最寄り駅だ。
そして、今は駅の裏口近くにある公園のベンチに座っている。
優羽には馴染みのない場所だが、坂井は来たことがあるらしく、飲み物をおごるからもう少し話そうと提案された。
「先輩、お金払いますよ?」
自動販売機で温かいミルクティーを買って渡してくれた坂井に、優羽は申し訳なさそうに言う。
あっさり却下されたが。
ペットボトルの蓋をあけて、一口飲むと、口の中に独特な甘ったるさが広がる。
嫌いではないが【Cafe:snowdrop 】の紅茶が恋しくなった。
「赤崎さん、いつもより少し遅くなりそうだけど、大丈夫?」
「あ、はい。両親は仕事で今家にいませんし、姉は今日友達と旅行だそうなので。」
美羽は昨日から、珍しく機嫌良さそうに、里菜という幼馴染みの友達との旅行の準備をしていた。
──飲み物を片手に、二十分ほど雑談し、空になったペットボトルを備え付けてあったゴミ箱に捨ててきた時くらいのことだった。
「ねえ、赤崎さん」