あんずジャム


あの女子生徒が言っていた通り、その公園は駅の裏口のすぐそこで、人目に付きずらい雰囲気だった。

玲也は公園の入口で、『椿公園』と書いてあるのを確認し、息を切らしながら入る。


公園の中は割と広く、軽く歩き回りながら周囲を見渡す。

すると、植物が多く生い茂っている一角に、ベンチと人影を見つけた。


息を飲み、そっと近づく。




「っ!」




玲也の目に飛び込んできたのは、文化祭の時に見た、あの男子生徒。

そして──彼に押し倒されている、優羽の姿だった。


優羽の目元がキラリと光った。



(泣いてる…?)



玲也はそれに気づき、頭にカッと血が昇ってくるのを感じた。



「お前、彼女に何をしている?」



発したその声は、怒りに震えていた。


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