Kiss you.
「今日は、どれにされますか?」
いつも通りのキラキラスマイル。
うぅ、見惚れる……。
「えっと、今日は違うんです……」
今にも消え入りそうな声で告げる。
勇気を出せ、日菜子。
私の意図が伝わらず首を傾げる君島さん。
そんな姿も素敵です。
「えっと、あの……」
「もしかして、私宛のチョコですか?」
「ふぇっ?」
なんともマヌケな声が出てしまい顔を上げると、少し困った表情をした君島さん。
「困りましたね……」
そうだよね、客からチョコ貰っても困るよね。
「あと二時間で閉店するので、それまで待っててもらってもいいですか?」
「えっ?」
『僕にそのチョコを食べさせてくれますよね?日菜子』
甘い瞳に囚われて。