ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
彼らの姿が見えなくなり、私は暗い表情のまま問いかけてみる。
「前、大石さんが言ってた朝羽さんの噂っていうのと、なにか関係があったりします?」
「えっ!? そ、それはー……」
あからさまにギクリとした彼女は、目を泳がせて言葉を濁す。きっと、梢さんに口止めされたからだろう。
でも、あの場面を見たあとでは気になって仕方ない。ここはスッキリさせなければ。
私は大石さんの両腕を掴んで正面で向き合わせ、真剣に頼み込む。
「教えてください。知りたいんです。……大石さんも言いたいんじゃないですか?」
「っ……そうなのよ! 黙ってなくちゃいけないって思うと言いたくなるのよ~」
大石さんは深く頷きながら同意した。あっさり口を割ってくれそうな気配に笑ってしまいそうになりつつ、どうぞどうぞと心の中で促す。
彼女は「ただの噂だけどね」と前置きしてから、声を潜めてようやく話し始める。
「前から、一条朱華と霞さんが付き合ってるって密かに囁かれてたの。あの通り、彼女が霞さんをすごく気に入ってるから、そのせいだと思うんだけど」
内容は、それほど驚くようなものではなかった。あんなふうに人前で腕を組んでいたら、親しい仲なのだと噂されても不思議ではない。
「前、大石さんが言ってた朝羽さんの噂っていうのと、なにか関係があったりします?」
「えっ!? そ、それはー……」
あからさまにギクリとした彼女は、目を泳がせて言葉を濁す。きっと、梢さんに口止めされたからだろう。
でも、あの場面を見たあとでは気になって仕方ない。ここはスッキリさせなければ。
私は大石さんの両腕を掴んで正面で向き合わせ、真剣に頼み込む。
「教えてください。知りたいんです。……大石さんも言いたいんじゃないですか?」
「っ……そうなのよ! 黙ってなくちゃいけないって思うと言いたくなるのよ~」
大石さんは深く頷きながら同意した。あっさり口を割ってくれそうな気配に笑ってしまいそうになりつつ、どうぞどうぞと心の中で促す。
彼女は「ただの噂だけどね」と前置きしてから、声を潜めてようやく話し始める。
「前から、一条朱華と霞さんが付き合ってるって密かに囁かれてたの。あの通り、彼女が霞さんをすごく気に入ってるから、そのせいだと思うんだけど」
内容は、それほど驚くようなものではなかった。あんなふうに人前で腕を組んでいたら、親しい仲なのだと噂されても不思議ではない。