ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
エントランスに向かってゆっくり歩きながら納得する私に、歩調を合わせる大石さんはこう続ける。
「霞さん、それ以来まったく浮いた話がなかったから、実は一条朱華の男癖の悪さのせいで女性不信になったんじゃないか、って言われてたくらいなのよ」
「女性不信に……?」
そのフレーズが引っかかり、私は大石さんを見たあと、フロントのほうにもちらりと視線を移す。そこには、もう朝羽さんたちの姿はない。
朱華さんは、実はよく熱愛報道が出されたり、ゴシップ写真を撮られて週刊誌を賑わせたりしている。
彼女はどの男性との付き合いも否定しているけれど、世間ではビッチなイメージを持つ人も少なくない。
一方の朝羽さんは、お見合いのとき、『誰かに恋愛感情を抱いたことがない』と言っていた。浮いた話がないのもわかる。
それは、経済力や容姿に釣られた女性に言い寄られたり、単に彼の気持ちが芽生えなかったせいだと思っていた。
でも、もしそうではなかったとしたら? お見合いの場では気を遣って言わなかっただけで、本当はもっと深い事情があったとしたら……。
「霞さん、それ以来まったく浮いた話がなかったから、実は一条朱華の男癖の悪さのせいで女性不信になったんじゃないか、って言われてたくらいなのよ」
「女性不信に……?」
そのフレーズが引っかかり、私は大石さんを見たあと、フロントのほうにもちらりと視線を移す。そこには、もう朝羽さんたちの姿はない。
朱華さんは、実はよく熱愛報道が出されたり、ゴシップ写真を撮られて週刊誌を賑わせたりしている。
彼女はどの男性との付き合いも否定しているけれど、世間ではビッチなイメージを持つ人も少なくない。
一方の朝羽さんは、お見合いのとき、『誰かに恋愛感情を抱いたことがない』と言っていた。浮いた話がないのもわかる。
それは、経済力や容姿に釣られた女性に言い寄られたり、単に彼の気持ちが芽生えなかったせいだと思っていた。
でも、もしそうではなかったとしたら? お見合いの場では気を遣って言わなかっただけで、本当はもっと深い事情があったとしたら……。