ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
「もしもし、真琴!?」
『初音、久しぶり。どうよ、元気でやってる?』
「元気だよ! 会いたいよ~」
東京に出てきてから、結局まだ一度も帰れていないため、彼女の声を聞いただけで地元が恋しくなる。
電話越しに泣きつく私に、真琴は『全然帰ってこないから、もう都会に染まっちゃったのかと思った』などと涼しげな声で言う。
甘い文句は口にしない彼女だけど、ちゃんと私のことを気にかけてくれているのは伝わってくるから、やっぱり大好きだ。
時刻は五時を過ぎたところで、居酒屋うらうらが開店するにはまだ時間がある。
ダイニングテーブルの椅子に座って、しばらくお互いの仕事や東京のこと、友達の近況なんかをほくほくした気分で話していると、真琴が“本題だ”というような調子で問いかける。
『で、ホテル御曹司とは仲良くやってるの?』
……当然その質問はされるよね。
仲は悪くないものの、自信を持って認めるのもためらわれる。さらに昼間の件を思い出して複雑な気分になり、「うん、まあまあ……」と、曖昧に答えた。
電話の向こうで、腰に片手を当てて若干呆れている真琴の姿が思い浮かぶ。
『初音、久しぶり。どうよ、元気でやってる?』
「元気だよ! 会いたいよ~」
東京に出てきてから、結局まだ一度も帰れていないため、彼女の声を聞いただけで地元が恋しくなる。
電話越しに泣きつく私に、真琴は『全然帰ってこないから、もう都会に染まっちゃったのかと思った』などと涼しげな声で言う。
甘い文句は口にしない彼女だけど、ちゃんと私のことを気にかけてくれているのは伝わってくるから、やっぱり大好きだ。
時刻は五時を過ぎたところで、居酒屋うらうらが開店するにはまだ時間がある。
ダイニングテーブルの椅子に座って、しばらくお互いの仕事や東京のこと、友達の近況なんかをほくほくした気分で話していると、真琴が“本題だ”というような調子で問いかける。
『で、ホテル御曹司とは仲良くやってるの?』
……当然その質問はされるよね。
仲は悪くないものの、自信を持って認めるのもためらわれる。さらに昼間の件を思い出して複雑な気分になり、「うん、まあまあ……」と、曖昧に答えた。
電話の向こうで、腰に片手を当てて若干呆れている真琴の姿が思い浮かぶ。