ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
「言いたくなければ無理に話さなくていいが……初音に元気がないと心配になる」


吐息交じりの囁きとともに、少しだけ抱きすくめる腕に力が込められ、胸がきゅうっと締めつけられた。

朝羽さんは、私が思っている以上に、私のことを気にかけてくれているのかも。

彼にとってはただのイメトレだとしても、どうしようもなく嬉しくなってしまう。


「……ありがとうございます。こうしてると、すごく元気が出ます」


口元を緩ませる私は、夫婦なのだから、と開き直って、彼の背中にそっと手を回してみた。それに応えるように、さらにしっかりと抱きしめられる。

ワイシャツ越しに伝わる体温が愛おしい。誰かを好きになるって、こんなに幸せを感じるものなんだ──。


しばしの抱擁のあと、少しだけ身体を離し、火照った顔で彼を見上げる。

背伸びしたら唇が届きそうなくらい近くで、私を見下ろす、静かな熱と色気を湛えた瞳と視線が絡み合う。

……あぁ、今なら伝えられそうな気がする。この溢れそうな想いを。

そう直感した私は、必死に緊張を抑え、彼を見つめたまま思い切って口を開く。

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