ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
「元気そうで安心したよ」

「うん、しろちゃんもね。なんかカッコよくなったんじゃない?」

「マジか。お前はいつ見ても天使だよ」


妹に甘すぎる兄に呆れて笑いながらも、お互いに再会を喜び合った。


夕飯にするにはまだ早いため、ベルソレイユも含めてショップを見て回ることになった。

地下へと向かい、初めての場所を興味深げに見回している兄に、なにげなく問いかける。


「朝羽さんには会った?」

「あぁ、ご丁寧に入口で迎えてくれたよ。『ようこそおいでくださいました、お義兄さん』って。俺はあいつの兄さんになった覚えはないけどな! つーか、俺のほうが年下だし!」

「そう呼ぶのが正解だってば……」


フン、と鼻息を荒くして仏頂面をする彼に、私はツッコみながら脱力してしまった。

やっぱりまだ敵視しているらしい。朝羽さんは『必ず認めてもらう』って言ってくれたけど、どうしたらこの頑固なしろちゃんに心変わりしてもらえるんだろう……。


「初音を待ってる間、あいつの仕事ぶりを観察してたんだ」


悩み始めたとき、落ち着きを取り戻した声が聞こえてきて、隣を歩く彼を見上げる。

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