ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
他にもそれらしき人はいるだろうかと、周りのスタッフたちを目で追っていたものの、メニューを開く兄のなにげない言葉で意識が逸れる。
「日本酒で作るカクテルって、俺は“サムライ”くらいしか知らないけど、他にどんなのがあるんだろうな」
「意外といろいろあるみたいだよ。トマトジュースを混ぜた“レッドサン”とか、マティーニのドライベルモットを日本酒に変えた“サケティーニ”とか。私は“撫子”っていうの飲んでみたいな」
知識だけはあるのに飲んだことがないカクテルの数々を思い浮かべながら、兄と一緒にメニューを覗き込んでいると、ナッツが盛られた小皿をコトリと置かれた。
「お詳しいですね」
同時に投げかけられた男性の声で、私たちはぱっと顔を上げる。そこには、爽やかな笑顔を向ける、先ほど観察していたイケメンバーテンダーがいた。
「すみません、お客様の知識につい感心してしまって。よろしければ、“撫子”をお作りいたしましょうか?」
彼の粋な計らいに、嬉しくなった私は表情を輝かせる。
「ぜひ! お願いします」
「じゃあ、俺も日本酒でなにか作ってもらおうかな」
兄の要望にも、イケメンバーテンダーは「かしこまりました」と快く応じてくれた。
「日本酒で作るカクテルって、俺は“サムライ”くらいしか知らないけど、他にどんなのがあるんだろうな」
「意外といろいろあるみたいだよ。トマトジュースを混ぜた“レッドサン”とか、マティーニのドライベルモットを日本酒に変えた“サケティーニ”とか。私は“撫子”っていうの飲んでみたいな」
知識だけはあるのに飲んだことがないカクテルの数々を思い浮かべながら、兄と一緒にメニューを覗き込んでいると、ナッツが盛られた小皿をコトリと置かれた。
「お詳しいですね」
同時に投げかけられた男性の声で、私たちはぱっと顔を上げる。そこには、爽やかな笑顔を向ける、先ほど観察していたイケメンバーテンダーがいた。
「すみません、お客様の知識につい感心してしまって。よろしければ、“撫子”をお作りいたしましょうか?」
彼の粋な計らいに、嬉しくなった私は表情を輝かせる。
「ぜひ! お願いします」
「じゃあ、俺も日本酒でなにか作ってもらおうかな」
兄の要望にも、イケメンバーテンダーは「かしこまりました」と快く応じてくれた。