ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
◆夫婦の契りを結ぶ朧月夜

想いを確かめ合ったあとは、昨日まで平気でしていたことが、まるで一緒に暮らし始めた頃のように緊張してしまう。

同じ部屋に帰るのも、交互にお風呂に入ることも、ふたりでひとつのベッドで眠ることも。

習慣化した最近ではだいぶ慣れてきていたというのに、今日は心臓が破裂しそうなほどドキドキしている。

寝る準備を整えてそろそろと寝室に入った今、すでにベッドに座っている彼と顔を合わせただけで、さらに鼓動が速まっていた。


「おいで、初音」


朝羽さんは私が入るスペースの毛布を捲り、いつかと同じ言い方で私をいざなう。

その声に、これまでにない愛しさが込められているのを感じるから、緊張の中にも確かな安心感があって、ドキドキが心地いい。

ゆっくり近づいてベッドに腰かけた瞬間、腕を引かれてバランスを崩した私は、「わっ」と色気のない声を漏らして彼にもたれかかった。


「……捕まえた」


抱きしめられ、耳に吹き込まれるイタズラっぽい囁きまでもが耽美に感じる。

とろけそうになる身体を優しくベッドに寝かされると、朝羽さんも一緒に潜り込んだ。逞しい腕で、しっかりと私を抱擁したまま。

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