ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
もったいない言葉の数々は照れ臭くて、私は彼の胸にしおしおと顔を埋める。


「恐れ多すぎるんですが……」

「俺はただ本心を言ってるだけだよ」


またしても、当たり前だというような口調で返された。

思えば初対面のときからそうだ。この人はいつも、正直な気持ちをぶつけてくれる。

なぜ朝羽さんが私と結婚する気になったのか、恋をする努力をしようとしてくれたのか。その理由も全部、今の言葉に集約されている気がした。

お互いに一目惚れだったのかもしれないな、と思うと、幸せで覆われた心がちょっぴりむず痒くなる。


「総支配人をやってるときは気を遣うし、笑顔でいなきゃいけない。でも、初音の前では自然体でいられる。家に帰ってきて初音の顔を見ると、ものすごくホッとするんだ。いつの間にか、必要不可欠な存在になってた」


そう言われて嬉しくなると同時に、彼が私にだけあまり笑わないのは、やはり素をさらけ出してくれているからなのだと確信した。

朝羽さんの心の癒しだったり、支えになれているのなら、こんなに喜ばしいことはない。

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