ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
あのしろちゃんが泣いた? そんなところ、子供のとき以来一度も見たことがない。
驚く私に、真琴は真剣な声で語る。
『本格的に初音が離れちゃって、やっぱり寂しかったみたい。それでも、ちゃんとあんたの旦那に頭下げたんでしょ? シローさんにしたら相当頑張ったんだと思うよ』
「そっか……」
ホテルで別れたときは平然と笑ってたけど、あれは強がりだったんだな。
男泣きしながら、ひとり手酌でしんみりと飲む兄の姿を想像して、ちょっぴり切なくなった。
そして、兄を思いやる真琴の気持ちも、しみじみとした声から伝わってくる。
『シローさんが泣いたところなんて初めて見たから、私も調子狂っちゃったわ。まだこの人の知らないところがあったんだなーって思ったら……なんか……』
「“なんか”?」
次第に口ごもる彼女に首をかしげ、その先を促す。しかし、なぜか黙りこくってしまった。
これはもしかして、しろちゃんの意外な一面を見たことで、ついに真琴の乙女スイッチが入ったのでは……。
「キュンとしちゃった?」
『はっ!? ……んなワケないじゃん』
驚く私に、真琴は真剣な声で語る。
『本格的に初音が離れちゃって、やっぱり寂しかったみたい。それでも、ちゃんとあんたの旦那に頭下げたんでしょ? シローさんにしたら相当頑張ったんだと思うよ』
「そっか……」
ホテルで別れたときは平然と笑ってたけど、あれは強がりだったんだな。
男泣きしながら、ひとり手酌でしんみりと飲む兄の姿を想像して、ちょっぴり切なくなった。
そして、兄を思いやる真琴の気持ちも、しみじみとした声から伝わってくる。
『シローさんが泣いたところなんて初めて見たから、私も調子狂っちゃったわ。まだこの人の知らないところがあったんだなーって思ったら……なんか……』
「“なんか”?」
次第に口ごもる彼女に首をかしげ、その先を促す。しかし、なぜか黙りこくってしまった。
これはもしかして、しろちゃんの意外な一面を見たことで、ついに真琴の乙女スイッチが入ったのでは……。
「キュンとしちゃった?」
『はっ!? ……んなワケないじゃん』