ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
誘導してみると、頭から抜けるような声を上げた彼女は、次にそっけなく吐き捨てた。でも、動揺しているのは明らかだ。

きっと真っ赤になっていることが容易に想像できて、私はスマホを握りしめて悶える。


「真琴が照れてる……。可愛い。可愛すぎる」

『う、うるさい! とにかく、あんたは酒の力でも借りて、誘惑するなり押し倒すなりしちゃいな。以上!』

「ちょ、真琴──」


怒ったような口調でまくし立てた彼女は、こちらの返事も聞かずに通話を終了させてしまった。

それでも、あの真琴のハートがついにしろちゃんに向いたかと思うと嬉しくて、私はスマホを握ったままニヤついていた。

浮かれていたものの、しばらくして自分の問題と、最後にくれた真琴の投げやりなアドバイスを思い出す。

確かに、お酒に頼るのもアリかもしれない。酔った勢いで、ちょっと旦那様にくっついてみたら、そこからいい雰囲気になれるかも……。

こんなことを考えているのは少々恥ずかしいけれど、とりあえず今夜は飲むことに決めた。


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