ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
舌が絡み合い、淫らな音が響く。いつもより艶めかしく、情熱的に。

緊張と快楽とで頭がぼんやりしてきたとき、ルームウェアのさらに下、キャミソールの中にするりと手が滑り込んできて、ビクッと身体が震える。

それが胸の膨らみに到達し、もったいぶるようにブラの隙間から甘い刺激を与えられれば、私の理性が崩されるのはいとも容易いことだった。


「んっ、はぁ……朝、羽さん……っ」


ずっと待ち望んでいたことなのに、未知の世界を体験するのは少し不安でもあって、彼の腕にしがみつき名前を呼ぶ。

そんな私を安心させるように、彼は指と指をしっかりと絡め、優しいキスと愛撫を繰り返した。そして、肌を隠す余計な布を一枚ずつ取り払っていく。


「……綺麗だ」


愛おしそうな瞳で見下ろす彼が呟き、心臓が壊れそうなくらい激しく脈打つ。

朝羽さんが、私のすべてを見ている。

潤んだ瞳も、紅潮する顔も、荒い呼吸で上下する胸も──。熱い視線を注がれて、どろどろに溶けそうだ。

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