ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
「その話を出したら、朱華は『朝羽だったら考える』と言ってくれてね。昔から仲良くやっていて、お互いに気心も知れているし、自分の夢に近づけるとなれば、朝羽くんにもきっと納得してもらえるはずだ」
苦しい胸に、さらにズキンとした痛みが加わった。朝羽さんの相手には、私よりも、朱華さんのほうが相応しいと言われているようで。
ふたりは、私が思う以上に仲がいいみたいだ。幼馴染みのようなものなのかもしれない。
そこにビジネス面でも力になってもらえるとなれば、朝羽さんたちが心変わりしても仕方ない。
お義父様も思案しているのか、しばらく黙り込んだあと、難色を示す声がこぼれる。
「しかし、それはやはり無理な──」
「初音さんとは会ったばかりで、愛なんて生まれてやしないだろう? 向こうの経営状態を助けるためだけの政略的な結婚をさせるのは、ふたりにとっても可哀想じゃないか?」
渋る言葉を、低く冷たい声が遮った。ドクンと動いた私の心臓は、鈍い音を奏で続ける。
お義父様も、強制で結婚をさせることに多少なりとも心苦しさがあるのか、口をつぐんでしまった。きっと、私たちの仲が進展していることを知らないから。
苦しい胸に、さらにズキンとした痛みが加わった。朝羽さんの相手には、私よりも、朱華さんのほうが相応しいと言われているようで。
ふたりは、私が思う以上に仲がいいみたいだ。幼馴染みのようなものなのかもしれない。
そこにビジネス面でも力になってもらえるとなれば、朝羽さんたちが心変わりしても仕方ない。
お義父様も思案しているのか、しばらく黙り込んだあと、難色を示す声がこぼれる。
「しかし、それはやはり無理な──」
「初音さんとは会ったばかりで、愛なんて生まれてやしないだろう? 向こうの経営状態を助けるためだけの政略的な結婚をさせるのは、ふたりにとっても可哀想じゃないか?」
渋る言葉を、低く冷たい声が遮った。ドクンと動いた私の心臓は、鈍い音を奏で続ける。
お義父様も、強制で結婚をさせることに多少なりとも心苦しさがあるのか、口をつぐんでしまった。きっと、私たちの仲が進展していることを知らないから。