ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
だいぶ飛躍した私の願望に、朝羽さんは呆気に取られたような顔をして言う。
「……どうしてまた」
「自分の血を分けた家族が欲しいんです。私、養女なので」
家族書には記されていない事実を告げると、彼の表情に真剣さが戻っていく。
「本当の両親は、覚えていないくらい小さな頃に事故で亡くなりました。それから、実の母の兄夫婦のふたりに引き取られたんです。本当の娘みたいに大切に育ててくれたふたりには感謝しかないので、恩返しするためにもこの縁談を受けようと思いました」
太ももの上で手を重ねて背筋を伸ばした私は、誰にも言えなかった本心を思い切って言葉にする。
「理由はそれだけじゃなくて、私自身のためにも結婚したいんです。“血よりも確かなものがある”というのは十分わかっているし、私にとってふたりはれっきとした両親です。でもやっぱり、血が繋がった正真正銘の家族が欲しいっていう思いもずっとあって」
「……それで子供を?」
しっかりと耳を傾けてくれていた朝羽さんの言葉に、こくりと頷いた。
初対面にもかかわらずこんなに包み隠さず話したら引かれてしまうかもしれないと不安が過ぎるも、なぜか止められない。
「……どうしてまた」
「自分の血を分けた家族が欲しいんです。私、養女なので」
家族書には記されていない事実を告げると、彼の表情に真剣さが戻っていく。
「本当の両親は、覚えていないくらい小さな頃に事故で亡くなりました。それから、実の母の兄夫婦のふたりに引き取られたんです。本当の娘みたいに大切に育ててくれたふたりには感謝しかないので、恩返しするためにもこの縁談を受けようと思いました」
太ももの上で手を重ねて背筋を伸ばした私は、誰にも言えなかった本心を思い切って言葉にする。
「理由はそれだけじゃなくて、私自身のためにも結婚したいんです。“血よりも確かなものがある”というのは十分わかっているし、私にとってふたりはれっきとした両親です。でもやっぱり、血が繋がった正真正銘の家族が欲しいっていう思いもずっとあって」
「……それで子供を?」
しっかりと耳を傾けてくれていた朝羽さんの言葉に、こくりと頷いた。
初対面にもかかわらずこんなに包み隠さず話したら引かれてしまうかもしれないと不安が過ぎるも、なぜか止められない。