ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
戸籍上の夫婦になっていれば、なんの問題もなかったのにな……と、心の中でたらればを言っていたとき、スタッフルームから休憩中の大石さんが顔を出した。
「ちょっとちょっと、梢ちゃん!」
なにやら必死に手招きをするので、呼ばれた梢さんは不思議そうにそちらへ向かっていく。
どうしたんだろうと気にしつつも、私は備品の整理を続ける。しかし、紙袋が残り少なくなっていることに気づき、結局私もスタッフルームに取りに行くことにした。
ドアの前まで来て、取っ手に手をかけた瞬間、なにやら中から驚いたような梢さんの声が聞こえてきて、ぴたりと一時停止する。
「“一条朱華の新たな恋のお相手は、某高級ホテル関係者か”……って、ここのこと!?」
「この記事の感じだとそうよねぇ」
朱華さんの話? ……気になりすぎる。
詳しく知りたい気持ちを止められず、静かにドアを開ける。私たちだけのときはノックせず入るのが普通になっているため、悪いことではないだろう。
そっと観察すると、テーブルに週刊誌らしきものを広げて、ふたりで覗き込んでいるようだ。また朱華さんのスクープが載っていたのだろうか。
「ちょっとちょっと、梢ちゃん!」
なにやら必死に手招きをするので、呼ばれた梢さんは不思議そうにそちらへ向かっていく。
どうしたんだろうと気にしつつも、私は備品の整理を続ける。しかし、紙袋が残り少なくなっていることに気づき、結局私もスタッフルームに取りに行くことにした。
ドアの前まで来て、取っ手に手をかけた瞬間、なにやら中から驚いたような梢さんの声が聞こえてきて、ぴたりと一時停止する。
「“一条朱華の新たな恋のお相手は、某高級ホテル関係者か”……って、ここのこと!?」
「この記事の感じだとそうよねぇ」
朱華さんの話? ……気になりすぎる。
詳しく知りたい気持ちを止められず、静かにドアを開ける。私たちだけのときはノックせず入るのが普通になっているため、悪いことではないだろう。
そっと観察すると、テーブルに週刊誌らしきものを広げて、ふたりで覗き込んでいるようだ。また朱華さんのスクープが載っていたのだろうか。