ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
「愛してるよ」
──聞き捨てならない最後のひとことが響き、言葉では表せないほどの衝撃が走る。
目の前が真っ暗になるというのは、こういうことなのだと思った。
やっぱり、朝羽さんは朱華さんを愛しているのだ。私ではなく、彼女を──。
ショックが大きすぎて、頭ではなにも考えられないのに、身体は行動がインプットされているかのようにベッドの中へと潜り込む。
その直後、ドアが開いて朝羽さんも戻ってきた。
彼に背を向ける格好で、ぎゅっと目を瞑る。ドクン、ドクンとわずらわしいほど大きく波打つ心臓を必死に宥め、寝たフリを貫く。
そのままじっとしていると、隣に入ってきた彼が、そっと私の頭を撫でた。
「……ごめんな、初音」
力なく囁く声がして手が離れていき、彼が完全に身体を横たえたあと、目を開いた。
……どうして。謝らないでください。まるで、私たちは本当の夫婦になれないのだと言われているみたいじゃない。
音もなく、ぼろぼろと涙がこぼれ落ちる。ゆっくり呼吸をして、なんとか嗚咽が漏れないよう堪える。
こんなに近くにいるのに、遠い。背中で隔てた距離はもう埋まらないような気がして、暗闇に飲み込まれそうな感覚に陥っていた。
──聞き捨てならない最後のひとことが響き、言葉では表せないほどの衝撃が走る。
目の前が真っ暗になるというのは、こういうことなのだと思った。
やっぱり、朝羽さんは朱華さんを愛しているのだ。私ではなく、彼女を──。
ショックが大きすぎて、頭ではなにも考えられないのに、身体は行動がインプットされているかのようにベッドの中へと潜り込む。
その直後、ドアが開いて朝羽さんも戻ってきた。
彼に背を向ける格好で、ぎゅっと目を瞑る。ドクン、ドクンとわずらわしいほど大きく波打つ心臓を必死に宥め、寝たフリを貫く。
そのままじっとしていると、隣に入ってきた彼が、そっと私の頭を撫でた。
「……ごめんな、初音」
力なく囁く声がして手が離れていき、彼が完全に身体を横たえたあと、目を開いた。
……どうして。謝らないでください。まるで、私たちは本当の夫婦になれないのだと言われているみたいじゃない。
音もなく、ぼろぼろと涙がこぼれ落ちる。ゆっくり呼吸をして、なんとか嗚咽が漏れないよう堪える。
こんなに近くにいるのに、遠い。背中で隔てた距離はもう埋まらないような気がして、暗闇に飲み込まれそうな感覚に陥っていた。