ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
俺が恋心を自覚するきっかけとなったのは、ふたりで晩酌をするようになってしばらく経った、ある夜のことだ。
* * *
『朝羽さん、最近家でもよく笑ってくれるようになったなと思って』
三月も終わりに近づいた日の夜、そう言った初音はやけに嬉しそうで、普段よりも酒が進んでいるようだった。
そして、お互いのことをあれこれと話したあと、リビングのソファに座ったまま、彼女は眠ってしまった。
コテン、と俺の肩に寄りかかってきた彼女の、あどけなさが残る寝顔を見ると、胸の奥でなにかがざわめき出すような、なんとも言えない感覚がする。
陶器のような白い肌、長いまつ毛、少しだけ開いた桜色の唇。彼女を形作るすべてから、目を離すことができない。
……可愛い。思わず抱きしめたくなるくらいに。
毎日同じベッドで寝ているのに、なぜ今、こんなにも愛らしく感じるのだろう。ただ酔っているせいなのだろうか。
理由はよくわからぬまま、とにかくベッドで寝かさなければと思い、「初音、風邪ひくぞ」と声をかけてみた。
ピクリと反応した彼女は、むにゃむにゃとなにかを言いながらうっすら目を開け、ふにゃりと笑う。
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『朝羽さん、最近家でもよく笑ってくれるようになったなと思って』
三月も終わりに近づいた日の夜、そう言った初音はやけに嬉しそうで、普段よりも酒が進んでいるようだった。
そして、お互いのことをあれこれと話したあと、リビングのソファに座ったまま、彼女は眠ってしまった。
コテン、と俺の肩に寄りかかってきた彼女の、あどけなさが残る寝顔を見ると、胸の奥でなにかがざわめき出すような、なんとも言えない感覚がする。
陶器のような白い肌、長いまつ毛、少しだけ開いた桜色の唇。彼女を形作るすべてから、目を離すことができない。
……可愛い。思わず抱きしめたくなるくらいに。
毎日同じベッドで寝ているのに、なぜ今、こんなにも愛らしく感じるのだろう。ただ酔っているせいなのだろうか。
理由はよくわからぬまま、とにかくベッドで寝かさなければと思い、「初音、風邪ひくぞ」と声をかけてみた。
ピクリと反応した彼女は、むにゃむにゃとなにかを言いながらうっすら目を開け、ふにゃりと笑う。